忍者の里の〜伊賀流忍者店〜
伊賀市上野愛宕町1938
0595-21-0792
Iga people
伊賀人バンザイ!
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日本屈指の忍者グッズ専門店オーナー 伊賀観光の推進も
「かっこいいオリジナル商品が作りたかった。アクション映画好きの血が騒いだというのもあります(笑)」と話すのは三重県伊賀市で「伊賀流忍者店」を営む福永真司さん。両親が営んでいたのは一般的な衣料品店だった。家族で店をきりもりするうちにオリジナル商品の製作を思い立ち、オリジナルの忍者Tシャツを製作・商品化したのが、忍者グッズ販売のはじまりだった。そこからオリジナル忍者衣装にも着手。手裏剣、模造刀といった忍具なども販売するようになり、約10年前に全国でも珍しい忍者グッズ専門店にリニューアルした。現在、店舗やWEB販売で扱う忍者グッズの数は約200種類にもなり、日本各地や海外からも注文が舞い込む人気店として、忙しい日々を送っている。
数ある忍者グッズの中から特に力を入れているのが、忍者衣装だ。その数は約60種類もあり、デザイン案は福永さんによるもの。頭巾から袴、地下足袋までトールで揃えることができ、忍者用、くノ一用、子ども用、夏用など、ラインナップも幅広い。生地は衣料品店経営のノウハウをいかし、着心地が良く、家庭で洗濯してもシワになりにくい素材を使用。黒・赤といった定番の色以外にもチェリーピンクや白、緑といったカラフルな色や柄物も扱っていて、ここでしか手に入らないオリジナル商品に、根強いファンが多い。
ほとんど毎日、自社の忍者衣装を着ているという福永さん。「普段から忍者衣装を着ているので、他の服があまりなくて(笑)。着やすさはお墨付きです」と笑う。
国内外で、近年ますます人気が高まっている忍者。福永さんは、現代の忍者について、テレビやアニメで作り上げられたイメージが強いと話す。「本来の『忍(しのび)』は、隠密活動や情報収集などを主に行っていたとされ、服装も目立たないものだったようです。一方で現代の忍者はヒーロー的な要素を持つ、目立つ存在として描かれることも多い。衣装もカッコよくアレンジしたもの。海外でも忍者といえば、現代風のかっこいい忍者のイメージが強いと思います」と福永さん。
福永さんは現在、伊賀の観光関係の役職を多数兼務している。ほかにも、さまざまな忍者イベントに参加している「伊賀流忍者サークル『伊賀之忍砦』」の代表も務める。同サークルは「三重とこわか国体」のデモンストレーションスポーツ・伊賀流手裏剣打スポーツの推進活動も行っている団体だ。
伊賀の観光を推進する関係者として福永さんは、最近の忍者のイメージについて、発祥の地伊賀との結びつきが弱まっていると感じることもあるという。忍者ブームの波に乗り、日本各地でさまざまな忍者施設がオープンしていることや最近の忍者作品の中には、忍者発祥の地として伊賀を舞台にしないものも増えてきているからだ。そんな中で福永さんが期待を寄せているのが、現在、市などが中心市街地に計画している忍者体験施設だ。「上野公園を観光した後に、街中で楽しめる、伊賀にゆっくり滞在していただけるきっかけの施設になれば。今はSNSの時代。伊賀に来たからこそ楽しめる、映える施設になって欲しい。私たちも観光を推進する立場として、イベントやネットを通じて、忍者発祥の地・伊賀をもっと世界にPRしていきたい」と伊賀の観光推進への思いを語った。