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フラワーデザイナー 田村 茜さん
ドライフラワーでおしゃれな空間を演出
作業療法士からフラワーデザイナーの道へ
「自分の感性を表現ができるのが、この仕事の魅力。アレンジを喜んでいただけると達成感があります」と話すのは、伊賀市柘植町にあるドライフラワーのお店「madaful-dried flower-」を営む田村 茜さん。フラワーデザイナーとして、ドライフラワーを使ったアレンジメントのほかに空間装飾なども手がける。
以前は作業療法士として病院に勤務していた田村さん。出産後、仕事を退職して、子育てと両立できる仕事に就きたいと思うようになった。そんなとき、生花に比べて管理がしやすく、アレンジも自在にできるドライフラワーに出会った。以前からものづくりが好きだったこともあり、独学でドライフラワー作りやアレンジメントの制作を開始。続けるうちに、ドライフラワーのアレンジの奥深さや装飾の可能性に魅力を感じ、この道に進むことを決めた。4年前からイベントの出店や期間限定店舗として営業していたが、昨年の5月からこの場所で、コーヒースタンド「fika coffee stand」との共同店舗をオープンした。
店を構えるにあたっては、さらに視野を広げたいと、大阪の空間装飾のスクールで半年間ノウハウを学んだ。オープンしてからは、ドライフラワーアレンジメントの販売のほか、美容院やモデルハウス、個人宅などへの空間装飾を手がけてきた。ほかにも、ドライフラワーを使ったワークショップも開催している。
「fika coffee stand」との共同店舗には、田村さんのアレンジのほかにドライフラワーの花材や花器も販売している。 |
ワークショップでは、カゴアレンジメントやキャンパスフラワー、カードスタンドなど、子どもから大人まで楽しめる様々なアレンジメントづくりを実施。 |
空間装飾はアレンジ次第でガラリと雰囲気が変わる
素材となるドライフラワーは、自作のものもあれば、仕入れるものもある。田村さんのお気に入りは、南アフリカやオーストラリアで育った、ネイティブフラワーやワイルドフラワーと呼ばれる大きめの花だ。
「私の結婚式のブーケに使った『プロテア』という花は大きくて、ドライフラワーにしても存在感があり素敵でした。それ以来、大きな花に惹かれるようになりました。個人的には、孔雀の羽や流木などを使った、大胆でかっこいいアレンジが好きです。そんなアレンジは、男性にも好評ですよ」と話す。
最近、田村さんが手がけることが多くなった空間装飾は、その場所ならではのオリジナルな空間づくりができると人気で、伊賀でも取り入れる店舗が増えている。壁や天井の素材によって施工方法が異なるため、田村さんは依頼主の希望を踏まえながら、施工環境やイメージに合ったデザインにしている。
田村さんが制作したフォトスタジオのドライフラワーアレンジメントのオブジェ。バースデーフォトや七五三、マタニティフォトなどの記念写真の撮影に使用されている。 |
共同店舗「fika coffee stand」オーダーの明るくて動きのあるフライングオブジェ。コーヒースタンドのカウンターの天井に設置。 |
「かっこいい空間をお望みでしたらワイルド系のお花を使った大胆なデザインや落ち着いた色のお花を使ったシックなデザインにします。逆に明るい雰囲気の空間でしたら、明るい色の花を使って動きのあるデザインにします。空間装飾は飾る花やアレンジ次第で、雰囲気がガラリと変わりますよ」と田村さん。デザインする際は、長持ちするドライフラワーの特性をいかして、なるべく汎用性のあるものを心がけているという。
「最近、店舗のオーナー様から『田村さんのアレンジは好評ですよ』と声をかけていただくことも増えました。そんなお声をいただくと、お店を盛り上げるお手伝いができた気がして、うれしいですね。空間装飾は依頼主様と協力して空間を作りあげられるところにも魅力を感じています。今後は、店舗装飾だけでなくウエディングの装飾など、いろいろな方面の装飾に携わりたいです」と笑顔で抱負を語った。
田村さんが手がけた美容院の空間装飾。二つのフライングオブジェは、見る角度によって違った表情を楽しめるように、あえてアシンメトリーなデザインに。 |
トイレの空間装飾。リラックスできるように淡い色合いでやわらかい雰囲気に仕上げている。 |
※madaful-dried flower-についての詳細やお問合せはこちらから
取材日:2024年6月