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株式会社まちづくり伊賀上野　伊達しのぶさん

駅前からまちなかへ！　お店と育てるマルシェを企画

工務店勤務からまちの活性化をめざす同社へ

　「生まれ育った上野のまちが好きで、まちの活性化につながる仕事がしたいと思い、入社を決めました」と話すのは、株式会社まちづくり伊賀上野に勤務する伊達しのぶさん。

　市内のまちなか出身で、高校、短大は以前から興味があった建築分野に進んだ。卒業後は市内の工務店に就職。約10年間、住宅営業やイベントの企画を担当した。上野市駅前多目的広場（以下駅前広場）で実施した、大工や左官体験といった子ども向けのイベントは好評で、開催の度に多くの人が訪れた。

　伊達さんが勤務する株式会社まちづくり伊賀上野の設立は2006年。「まちなかのにぎわい創出をめざす」ことを理念に掲げ、上野商工会議所、伊賀市、市内事業所等の出資で立ち上がった。「白鳳プラザ（上野東町）運営」「伊賀ぶらり体験博覧会」「空き店舗活用・チャレンジショップ」等、多くの事業を実施。そこに新イベントの企画が持ち上がり、イベントの実績と空き店舗の活用に建築の知識を役立てられる人材として、ちょうど転職を考えていた伊達さんに白羽の矢が立った。

自社事業の一つ「伊賀ぶらり体験博覧会」の撮影風景。

2023年から春夏秋冬で開催の「伊賀マルシェ」。夏は「お城のまわり」のナイトフードイベントとして開催。

入社2年目、多くの駅前イベントの企画、運営に携わる

　伊達さんは、2023年の1月に入社してから自社事業以外にも、駅前広場で開催される多くのイベント「伊賀上野NINJAフェスタ」や「イガコレ観光EXPO! 」等に携わってきた。2024年5月に開催の伊賀上野NINJAフェスタでは「忍者まちなかマルシェ」と題し、赤井家住宅やまちなかの店舗等を会場に、伊賀田楽やお弁当の販売、伊賀左官業組合とコラボした「光る泥団子づくり」等のワークショップを実施。赤井家では1日に約1,000人の来場者を迎えた。

　「このイベントでは、駅前広場だけでなく、まちなかにも多くの方が足を運んでくださいました。地元の商店の方からは『昔のにぎわいがもどったよう』というお声もいただき、手ごたえを感じました」と伊達さん。

　入社後は、駅前広場で定期開催する新しいイベントとして「伊賀上野まちなか市伊賀マルシェ（以下伊賀マルシェ）」を企画。2023年の秋から春夏秋冬で開催してきた。イベントでは駅前広場に、お菓子やお弁当、お酒等、伊賀の食を中心としたブース等が並ぶ。目玉のオープンキッチンでは、作り手が実演しながら商品の魅力を伝え、特別メニューが登場することもある。また、駅前だけでなくまちなかに足を運んでもらえるように、商店の情報を提供するインフォメーションを設置。今後は電動キックボードを使った、まちなかを案内するプランも予定している。

　「イベントでは出店者の商品の魅力を伝えるのはもちろん、出店者同士で交流が生まれてコラボ商品が誕生することもあります。お客様との対話でやりがいを感じられる方、実店舗をもっておらず、チャレンジショップとして出店される方等、様々な方が出店されています。出店料のみで運営していて、出店者と手づくりしているイベントなので、互いに協力しながら、ゆっくり、大きく育てていきたいです」とイベントへの思いを語る。